28歳の社会人が自己PRを考えるときのポイント
仕事に慣れて徐々に責任のある仕事やポストを任されだす「28歳」という年齢。企業が求職者に求めるハードルも新卒者に比べて高くなります。28歳の社会人が自己PRを考えるときは、どんな点に注意する必要があるのでしょうか。
28歳ってキャリア的にはどんな時期?
経験・スキルの浅い新卒・第二新卒は、将来性や人柄などポテンシャルを重視した採用が多いですが、28歳の転職活動となるとそれだけでは不十分です。28歳という年齢は大学新卒者の場合、社会人5年目前後に当たります。与えられた仕事をこなすだけでなく、プロジェクトを任されたり、部下を持っていたりする人も多いでしょう。
転職市場における28歳は、将来性だけでなく社会人としての実績やスキルも採用のポイントとなります。自己PRを作成するときは、こうした点にきちんと応えたものにしなければなりません。自己PRの基本的な考え方と陥りがちな注意点について紹介します。
自己PRを作成する前に…
多くの人はいきなり自己PRを考えることから始めてしまいますが、自己PRとは「自己分析」によって分かった自分の性格や考え方、やりたいこと、長所や短所などを材料に作成するものです。自分のことが分かっていなければ、自分をプレゼンテーションすることはできません。納得のいくまで自分を見つめ直すことがもっとも大切であり、他と差がつくポイントになります。
まず自己分析をする
自己分析するときは「自分はなぜ転職したいのか?」「どのような職場を求めているのか?」「自分の強みは何か?」「希望の職場に採用されたら、自分はどんな貢献ができるのか?」という4つの切り口から分析しましょう。それが自己PRのベースになります。
・なぜ転職したいのか?
給料が安すぎる。スキルが身につかない。やりがいがない。人間関係が悪い・・・こうした不満から転職を希望する人も多いと思います。そういう場合、「給料が高い」「スキルが磨かれる」など、不満を逆転することで自分の望む職場がどのようなものかが見えてきます。
・どのような転職先を希望するのか
不満を解消するためには、何らかの代償が必要です。「働いただけ収入が増える能力主義の会社に移りたい。そのかわり仕事が忙しくても構わない」など、自分が譲歩できる条件を加味して希望する転職先のイメージを具体的にしていきましょう。また、「自分は社会的貢献にやりがいを感じるので、公益性の高い会社がいい」など、希望に対しても具体的な肉付けをしていきます。
・自分の強みは何か
協調性、明るさ、リーダーシップなど自分の人間力や、これまでのキャリアを振り返って仕事で身についた能力、実績、成功体験などを書き出します。これは自分の成長の軌跡や学習能力の高さ、現実対応能力などを示す材料となります。ただし、自分のことは自分では客観的に評価しにくいもの。同僚や友人、家族など、自分を良く知る人にも意見を求めましょう。
・転職先にどんな貢献ができるか?
自分の強みを生かして、転職先の会社にどのような形で貢献できるのかを具体的・論理的に書き出してみましょう。「協調性の高さと小規模のプロジェクトマネージメントの経験を生かせば、もっと大規模のプロジェクトも管理できます」「営業経験を生かして、○○分野なら売り上げを大幅に伸ばせます」といったレベルまで落とし込み、「私を採用することで、会社とWIN=WINの関係が成立する」と結論づけましょう。根拠となるデータや数値を添えればさらに説得力が増します。
「28歳の自己PR」を作成する
ここまで分析した内容を踏まえて、実際に自己PRを組み立ててみましょう。自己PRの構成は、ざっくりと以下のような流れに沿って作成します。
1、もっとも強調したい自己アピールポイントを打ち出す
2、具体的な実績やエピソードによって、そのアピールポイントを根拠づける
3、自分のアピールポイントは面接先の会社でどのように生かせるのかを論理的に説明する
4、自分を採用することで得られるベネフィットを提示する
ただし、28歳という年齢でこれという形の実績を持つ人材はそれほど多くはありません。採用側が知りたいのは「これまでの仕事に対してどのように取り組み、どんな結果を残し、どう評価されたのか」です。目標に対して自分なりの努力・工夫で達成や改善ができたなら、それをアピールしましょう。「頑張ります」「熱意があります」などの精神論は極力避けて、こうした実績を論理的にアピールすることで、「自分を客観的に見ることができる人材だ」という評価が得られるでしょう。