なぜ退職したいのかを考え直す
転職は慎重に行うものです。エン・ジャパンでは、相談の内容によっては転職希望者に転職を進めないことがあります。「転職したい理由は何か?」「今の職場では本当にキャリアを形成できないのか?」など、長期的な視点に立って退職を考えましょう。
転職は人生における一大事です。転職活動を始める前に「自分はなぜ転職したいのか?」「本当に転職したいのか?」「直面している不満さえ解消されれば、本当は転職などしたくないのでは?」といったことを慎重に検討しなくてはなりません。一時的な感情に振り回されての退職は、長期的なキャリア形成においてはデメリットをもたらすことが多いようです。
転職の理由にもよりますが、転職回数をむやみに増やすことは自分にとってプラスにはなりません。将来、さらなる転職が必要になったときに「この時の転職は何のためだったのですか?」といった質問を受けることも想定できます。自分のキャリア形成のために必要だったことが説明できれば問題ないのですが、理由があいまいだと「この人は自分のビジョンをしっかり持っていない人ではないか?」というような印象を与える可能性も考えられます。
現職場と話し合いの余地はないか?
もしも現職の報酬面や待遇面での不満が退職の主たる理由であれば、退職を決意するまえに職場の上長と話し合いの場を持ってみましょう。今の仕事のどういう面が不満なのか、自分はどういう働き方をしたいのかを正しく伝えることによって、もしもあなたという人材が現在の職場に欠かせないものであるならば待遇の改善、あるいはポジションのチェンジといった対応をしてもらえる可能性があります。
「そんな相談をしても、どうせまともに取り合ってもらえない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自分だけでそうして決めつけてしまわず、まずは自分が主張すべきことを主張し、それが受け入れられないことを確認してからでも、退職の決意は遅くないのではないでしょうか。
立つ鳥跡を濁さず
現職場と話が折り合わず、退職を決定することが決まっても、なんとか円満退職できるよう周囲への配慮は欠かさないようにしましょう。「こういうこと目にあったから、自分はこの会社を辞める」というような、自分を正当化する発言も慎むべきです。
あなたが辞めた後も、その会社は営業活動を続けていかなくてはなりません。あなたの不用意な発言によって職場の雰囲気が悪くなったり、人間関係がギクシャクしたりというようなことがあれば、誰もあなたのことを良くは思いません。言いたいことはいろいろあるかもしれませんが、グッとそれを飲み込んで、笑顔で円満退社しましょう。
ビジネスマン・ライフは案外長いもの。そして業界内の悪い噂は結構広がりやすいものです。「もう二度と会うことはないだろう」というような人とも、またどこかで一緒に仕事をしなくてはならないという可能性もあります。
また、将来あなたが独立して自分の会社を持つ日が来るかもしれません。あるいは金融機関から融資を受けることもあるかもしれません。転職先の会社が身元調査をかけることも考えられます。そういう時に、前の会社で悪い辞め方をしていると、決して自分にプラスの評価は得られないでしょう。